新型コロナウイルスの感染拡大による休校が続いている現在、学校再開後についての対策が次々に発表されています。
今後の状況によっては、土曜授業や7時間授業に加え、夏休みや冬休みをなしにする学校も出てきそうですね。
予想以上に長引いている休校期間の授業分を取り戻さなければならない、というのは当然のことです。
でも、学校が再開すると同時に、授業を詰め込めるだけ詰め込んで遅れを取り戻そうという対策に違和感を感じている人も多いのではないでしょうか。
仕方がないし理解はできるけど、本当にそんなに学校があって大丈夫なの?という疑問にお答えして、この記事では実際に学校が再開した後の土曜授業や7時間授業、夏休みはどうなるのかということについてお伝えしていきたいと思います。
新型コロナの影響で土曜授業が実施されたら?
休校による不足分を取り戻すためにに、土曜授業を行う学校は多いと考えられます。
時間数が足りないのですから、土曜日にも授業をするのはある意味仕方のないことですよね。
ただし、土曜授業を毎週行うのか、月に何回かにするのかによって、子供や先生への負担がずいぶん変わってくると考えられます。
土曜授業をどのくらいの回数実施するのか、土曜日に何時間の授業をするのかは、自治体や学校によって差が出てきそうです。
また、普段から土曜授業を実施している学校と実施していない学校でも、土曜授業のインパクトは違ってくると思います。
平成30年度の調査では、土曜授業を実施している公立小学校、中学校の割合は以下の通りです。
土曜授業のある小学校・・・26.3%
土曜授業のある中学校・・・26.3%

小学校、中学校ともに、7割以上の学校では土曜授業を実施していないんですね。
私のこどもたちが通う公立小学校、中学校では10年ほど前から月一回の土曜授業があります。
高校になると、土曜授業をしている学校も多いですよね。
普段から土曜授業がある子供については、これまでより大変にはなっても、ある程度土曜授業に免疫があるかもしれません。
一方、これまで土曜授業がなかった学校に通う子供は、突然の土曜授業に大きく戸惑ってしまう可能性があります。
そこで、休校明けに土曜授業が始まった場合のデメリットについても考えてみたいと思います。
急に休みが減るのは子供でも大変
これまでなかった土曜日に授業があるのは、子供でも疲れるし、けっこう大変だと思います。
学校が苦手な子は休みが1日になってしまうことで、1週間のリセット&充電をする時間が少なくなってしまいます。
私が子供のころは学校も仕事も土曜は半日が基本でしたが、昭和のド根性を見習って乗り切れと現代の子供には押し付けるわけにはいきませんよね。
土曜の予定を変更することになる
学校のない土曜日に、習い事や塾、クラブなどの予定が入っている子も多いですね。
サッカーや野球のチーム活動、部活の練習や試合なども土曜日に組み込まれています。
土曜授業になると、学校以外の予定を変更する必要が出てくると考えられます。
先生の負担が大きくなる
土曜授業になると、先生や職員の負担は大きく増えることになります。
教師の仕事は授業以外にもたくさんあって、最近は教員の過重労働が問題になっていますね。
授業日が詰め込まれすぎれば、教員も休みなく働くことになってしまうのです。
日曜授業まであったらさすがに無理すぎる
土曜授業に加えて、日曜日にも授業を入れる案も出ているようです。
毎週ではなくても休みが1日もない週があるというのは、さすがに子供にとっても教員にとってもきついんじゃないかと思います。
特に小学校では担任制になっている学校がほとんどですから、先生が交代で休むなどもなかなか難しいのではないでしょうか。

いくらなんでも休みなしではやっていけませんよね。
新型コロナの影響で夏休みはどうなる?
休校で不足した授業分を、夏休みに授業をすることで対応していく学校も多くなるでしょう。
もともと夏休みの期間は地域によってばらつきがありますが、夏休みをどれくらい授業日に充てるかについても、自治体、地域によって大きく差がありそうです。
夏休みなしで大丈夫なの?
学校再開の時期によっては、今年は夏休みをなしにして休校分を取り戻すということも考えられます。
確かに現時点でさえ、休校期間は夏休みより長くなってしまいましたが・・・。
だからといって夏休みが全くなかったらどうなんでしょうか。
暑さで体調を崩したり、特にエアコンのない学校では熱中症が心配です。
エアコンのある学校では窓を閉め切りますので、状況によってはコロナの感染なども気になるところですね。
夏休みを短縮するのはどう?
夏休みを短縮して何日か授業をするというのは、夏休みなしよりは現実的な対策だと思います。
授業時間が不足している以降、夏休みも授業をしなければ間に合わないのは理解できます。
午前中や夕方の多少涼しい時間に授業をしたり、課題を受け渡したりして、学校での授業以外に家庭学習でのフォローアップも取り入れていくといいのではないでしょうか。
新型コロナの影響で7時間授業になったら?
休校分の遅れを取り戻すために、平日を7時間にするという案もあります。
高校ではもともと7時間授業の学校もありますが、たいていの小中学校は通常は6時間授業となっています。
休みをなしにするよりは平日に7時間にしたほうがいい?
土曜授業、夏休みなしなど、学校の休みを削るよりは、平日に7時間目までやるほうがマシという考えもあります。
部活の時間があまりとれなくなってしまう、帰宅が遅くなってしまうなど大変さはありますが、特に学齢が上がれば7時間もアリかもしれません。
低学年でも7時間授業できる?
ただし小学生、特に低学年に7時間授業はちょっとむずかしい気もします。
今年は入学式も終わっていない地域が多く、1年生は授業をほぼ受けていない状態です。
6時間でも大変なのに、7時間目まで集中して授業を受けるのは厳しいのではないでしょうか。
休校による授業不足分はどうやって補えばいいの?
土曜授業、夏休み、7時間授業など、新型コロナで休校になった分の授業を補う対策はいろいろと検討されています。
実際、いつまで休校が続くのかという見通しも立っていませんので、学校再開の時期によっても対応は変わってくると思います。
休校が長引いてしまった以上、限られた時間を使って授業をしていかなければなりませんので、子供が今までよりも大変になることは覚悟しなければなりません。
ただ、やみくもに休みや自由時間を削って授業時間を確保すればOKではなく、子供の心身の健康を考えながら無理のないスケジュールを立てるのが大人の役割ではないかとも思うのです。
私の自治体で発表された今後の授業計画
緊急事態宣言が延長され、私の住む自治体の公立小学校・中学校での今後の対応が発表されました。
それによると、
- 5月は週1回の分散登校で、課題の受け渡しをする
- 学校再開後、土曜授業を月1回から月2回へ増やす
- 夏休みに8回程度の授業を行う
- 各教科の予備的な時間を使って補充する
とのことでした。
今すぐにオンライン授業を導入するのはむずかしいため、家庭学習で取り組んだ課題を添削してやりとりすることで授業の補完をすることになっています。
これは、5月1日時点での対策で、学校再開時期によってはまた変わってくるとは思います。
でも、この対策から個人的に感じたのは、増やされる授業日が予想よりも少ないんだなということです。
土日をすべて返上したり、夏休みも冬休みもなしにするなど、極端な対策に走らなくても大丈夫なんじゃないか、とも思います。
授業の補完をするために本当に必要なのはどれくらいの時間なのかというのは、保護者としても確認していく必要があるかもしれません。
時間数の確保よりも優先させるべきことは?
授業数の確保は必要ですが、最も大切なのは子供が教育を受ける権利を保証することです。
休校期間は何もできず、学校が再開したら休みなしで不足分をつめこまれる、というのはいくらなんでも大人の都合を押し付けすぎな気がします。
本来であれば、全員がオンライン授業を受けられるようにすぐに環境を整備してほしいところですが、現実問題としてそれは無理だろうということは理解しています。
しかし、子供の時間は学年で区切られているだけに、どんなにがんばってもあとから全て取り戻せるわけではありません。
学校再開後の対策も必要ですが、休校期間にも誰もが教育を受けられるように、今すぐできることを考えていくことも大切なのではないでしょうか。
終わりに
新型コロナウイルスによる休校で不足した授業をどうするのか、ということについて考えてみました。
うちにも小・中・高生の子供がいますが、高校生はオンライン授業があり、小中学校の下2人は、課題と自習で勉強をしています。
とはいえ、家庭で学習するにも限度がありますし、学校行事も延期や中止で今年度はどうなるのかわからない状況ですよ。
学校再開を待ち望んでいますが、今年の後半はせめて楽しい時間が増えるように学校生活を送れたらと思います。