工事中の駅で「左側通行」「足元注意」などとガムテープで書かれた看板を目にしたことがある人も多いのでは。
あのガムテープ看板を作っている佐藤修悦さんは、実はクリエイターでも看板職人でもなく、警備会社のガードマンなんです。
一般人である佐藤さんが、どんな経緯でガムテ職人になったのかちょっと気になりますよね。
そこで今回は、スゴ技ガムテープ看板職人である佐藤修悦氏の経歴や、看板に使われている「修悦体」のフォントについて徹底調査してみました。
さっそく詳しく見ていきましょう。
ガムテープ看板職人佐藤修悦氏の経歴は?
新宿駅を彩るアート、修悦体。 pic.twitter.com/31v9rpvnID
— chai (@kickout) March 2, 2020
ガムテープ看板職人こと佐藤修悦氏は、三和警備保障の警備員です。
元は銀行員だった佐藤修悦さんですが、3年間務めた銀行を退職後、喫茶店ルノアールでアルバイトを始めました。
22年間でルノアールのブロック部長に昇りつめるものの退職。
その後いくつかの職を経て、現在の三和警備保障で警備員としてアルバイトを始めました。
ガムテープ看板第一号は新宿駅
佐藤修悦さんの警備員としての最初の勤務は、JR新宿駅。
2004年、新宿駅の改装工事の際に、駅利用者をメガホンの声だけで誘導することに限界を感じ、看板での案内を思いついたんだそうです。
JR新宿駅といえば、乗降者数世界一だとか、世界で最も忙しい駅だとかで、ギネス世界記録にも認定されているほどの巨大ターミナル駅です。
そんな新宿駅で工事をしていたら、確かにメガホンでいくら叫んだところで声なんて聞こえるわけがないですよね。
そこで佐藤修悦さんは独断で、工事現場にあった白、黒、黄のガムテープを使い、番線表示の看板を作りあげます。
これが駅員に褒められるファインプレーとなり、その後は駅からの正式な許可を得て本格的にガムテープによる案内看板を作ることになったんだそうです。
さらに佐藤修悦さんは、ガムテープのカラーバリエーションを増やすよう申請。
赤・青・緑のガムテープも使えるようになると、電車の色に合わせた看板を作れることになりました。
看板がない時には、乗り場を案内するもうまく伝わらずお客さんに怒られてしまったり、警備員がいない時の乗客の安全が気になっていたという佐藤修悦さん。
お客さん目線に立ったからこそ思いついたサービスを即座に実行に移す、本当にかっこいいことだと思います。
佐藤修悦さんの「誰に頼まれたわけでもないけどあったほうが絶対いい!」という強い思いがあって、あの駅のガムテープ看板は生まれたんですね。

現場にあるもので工夫するってすごいことですよね♪
駅のガムテープ文字のフォントは修悦体
佐藤修悦さんが作る駅のガムテープ看板の字体は、「修悦体」と呼ばれています。
修悦体の特徴は、
- ガムテープをカッターで切り出して文字を作ること
- 角を丸くして柔らかい雰囲気を出すこと
の二つです。
実際に佐藤さんがガムテープで看板を作る時は、ガムテープを隙間なく張ってから、文字の形にカッターで切り出していくんだそうです。
私のような素人だと、一画ずつガムテープを切って貼っていくところですが、そのやり方ではあんなにきれいな文字は作れませんね(-_-;)
また、文字の角を丸く削ってカーブを出していることで、ストレスの多い駅の雰囲気を和らげる効果を生んでいると言われています。
しかも削った部分を内側に貼って、カーブをきれいに出しているというから驚きです。
そんな小さな工夫こそが、仮設看板でありながら印象に残る修悦体の人気の秘密なのかもしれませんね。
佐藤修悦さんが実際に修悦体でガムテープ看板を作る様子の動画がありましたのでぜひ一度ご覧になってみてください♪
修悦体にフリーのフォントはあるの?
現在のところ、修悦体のフォントの配布、販売はありません。
修悦体はダンボールで即興的に作っていく文字であるため、特定のフォントとしての製作、販売はしていないんだそうです。
駅で看板を見て「修悦体のフォントを使ってみたい!」と考える人も多いと思いますが、手作り文字のよさはアナログでこそ楽しめるってことでご了承くださいww

修悦体は駅で楽しむことにしましょう♪
終わりに
ダンボール看板職人とよばれる佐藤修悦氏についてご紹介してきました。
確かに私も駅であの看板を何度も見たことがありますが、正直クオリティがすごすぎてダンボールだとは気づかなかったくらいです。
それにしても、完全オリジナルで突然あんな看板を作れるなんて・・・
佐藤修悦さん、ただ者ではないですよね。
また駅で見かける機会があったら、近くに行ってじっくりみてみたいと思います。